東京市場では、ドルがわずかに上昇しました。大きな値動きは見られませんでしたが、緩やかな右肩上がりの傾向がありました。ドル/円は150.10-15円で取引が始まり、新たな材料が乏しく積極的な動きは見送られましたが、緩やかな上昇が続きました。途中、鈴木財務相が「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視する」と発言しましたが、その影響は限定的でした。徐々に150.45円まで上昇し、16時現在でも高い水準を維持しており、欧米市場を迎えています。 先週末には日経平均株価が38800円台まで上昇し、1989年に記録した高値に迫りましたが、その後は上昇が鈍りました。本日も大引けでは下落し、取引を終了しました。

材料的に注視されていたのは、「ロシア情勢」と「日本の金融政策」です。 前者は、週末に「ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が獄死した」という報道があり、続報が期待されています。ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんが動画を投稿し、夫の遺志を引き継ぎ、自由への戦いを続ける意向を表明した一方で、ロシア当局は遺体の検査を行い、ノビチョクの痕跡が消えるのを待っていると発表しています。この件に関しては、まだまだ混乱が続く可能性があります。また、西側諸国の暗殺説に対して、ロシアのペスコフ報道官が「西側の反応は不快だ」と述べ、不満を表明しています。後者は、本日、清水日銀理事から「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が当面続く」という発言がありました。これまでの植田総裁らの発言と同様の内容であり、市場では潜在的な円売り要因として認識されています。特に、日米金利差の観点から、円の買いが難しいとの見方があります。